蔡明亮『楽日』http://www.tml-movie.jp/rakubi/index.html

映画館の閉館を題材にした映画、しかも最終上映作品がキン・フー(胡金銓)の傑作『龍門客棧(残酷ドラゴン 血闘竜門の宿)』となれば、今まで蔡明亮を敬して遠ざけてきたとしても、見ずばなるまい。大画面でキン・フーが見られるのであれば!


『龍門客棧』のオープニングをそのまま使う心意気に拍手喝采し、映画内で上映中の劇場をさまよう人々に「おいおいお前ら映画見ろよ」と微苦笑しながら見ていたのですが(だってよりによって息もつかせぬ面白さのキン・フー作品を見ずにうろうろしてるんですよ!おかしさ倍増ですよ!)、思いがけず心を動かされて帰ることになりました。やられた…あれは反則だよ …。人気のない映画館の座席にあれほど胸を衝かれるとは。不覚にも泣かされたのは私だけではなかったと思う。
不思議に心に残る映画でした。一晩経った今でも映画内の様々な情景が浮かんできます。


日曜日は色々予定があるんだけど、時間を作って『龍門客棧』DVDを見たいなあ。キン・フー作品のほとんどが日本で廃盤になっているのは非常に勿体無いし、台湾で手に入らないというのは許すべからざる事態だと思う。台北の書店街でビデオテープが売られていたけど、なぜDVDを作らないのか。中文字幕で見たいなあ。