ヘミングウェイ

待っている間に読んでいたのがヘミングウェイ全短編①『われらの時代・男だけの世界: ヘミングウェイ全短編 (新潮文庫)』、夏になると読みたくなります。特に「二つの心臓の大きな川」、大きな森の奥で一人キャンプをして鱒を釣る話がですね、読むとインドア派の自分ですらどこか遠くの森に行って一人過ごしたくなるような素敵な一篇です。この短編集はどの一篇をとっても、わずか一頁の情景スケッチですら忘れ難い印象を残してくれます。滅多に再読はしないものの、書架からなくなる事はないだろうと思います。


ヘミングウェイと言えば高校時代に『老人と海 (新潮文庫)』を読んでまったく感銘を受けず(好きな人には申し訳ない)、「これがノーベル文学賞かー」と二度と読まない作家リストに放り込んでいました。作家としてどんな位置にいるのか文学的価値は如何にとか、何一つ知りません。アーネストという名と死因くらいだな知ってるのは。高見浩さんが訳したならと短編集を手にして夢中になって読んで、では長編(『武器よさらば (新潮文庫)』とかね)をと思ったところで手が止まりました。どうせなら高見さんの新訳を待とうじゃないか。それから5年…もっとかな…あの、もしかして高見さん新訳作業なんてはなからしてない?勝手な思い込みだったのかな、もう諦めてスタンダード新潮文庫でも借りた方がいいのだろうか。


関係ないのですが、ダン・シモンズの小説で唯一途中リタイアしたのが『諜報指揮官ヘミングウェイ 上 (扶桑社ミステリー シ 9-3)』、だって全然、全然面白くな、あれ本当にシモンズが書いたのか。
シモンズと言えば新刊『イリアム (海外SFノヴェルズ)』が発売されましたね。『ハイペリオン〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)』の喜び再びかと期待高まっています。(が、買わずにまずは借りる)