魂を清代に

漫画を描いていた２ヶ月ほどずっと清におりました。ＤＶＤで『黄飛鴻』シリーズと『臥虎蔵龍』、ついでにドラマ『書剣恩仇録』（これは１巻止まり）を流し、購入したまま放置していた本を読み…って、そんな事をしているから描くのが遅いのではないか。
しかもタイムリーなことにこんな本が。どう考えても私のために出版されたとしか思えない。ありがとうありがとう平凡社さん大好きだ！

清国作法指南 外国人のための中国生活案内 (東洋文庫)

これがまた「宴会に招待されたらどうするか」とか「街で役人に出会った場合」とか「使用人への態度」とか「しばしば行われる寄付の要求への対応」とか、具体的で面白いんですよ。著者の文章から醸し出されるそこはかとないユーモアがまた良いです。現地の人が書く歳時の記録だけではわからない生活の細部が記されていて、とても貴重な一冊だと思います。

このあたりも積読だったのを解消。

清俗紀聞〈第1〉 (1966年) (東洋文庫〈62〉)

北京風俗図譜 (〔1〕) (東洋文庫 (23))

歳時記も面白いけどね。それにしても東洋文庫は内容といいサイズといい、本当に良いね…。

清嘉録―蘇州年中行事記 (東洋文庫)

燕京歳時記―北京年中行事記 (東洋文庫 (83))

当時の人が書いた本を読みたくなり、書棚の奥から出してきました。私が持っているのは古書店で買った1958年刊のこの本ですが、

中国古典文学全集〈第20巻〉剪灯新話・剪灯余話・閲微草堂筆記・子不語 (1958年)

平凡社ライブラリーと明治書院で新版がうわどうしよう欲しいまあ落ち着け。

中国怪異譚 閲微草堂筆記〈上〉 (平凡社ライブラリー)

中国古典小説選〈11〉閲微草堂筆記・子不語・続子不語―清代3

旧中国の風情を味わいたくて魯迅先生も再読。物語は言うに及ばず、当時の風習などを詳しく記した注釈が素晴らしい。

魯迅文集〈1〉 (ちくま文庫)

そして今日、古書店から注文した本が届きました。これがまた良く調べて書かれた良書で、もう私は幸せだ。岩波、万歳！

魯迅の紹興―江南古城の風俗誌

かなり減らした蔵書が徐々に増殖していくこの恐ろしさと楽しさ。何を譲っても書籍は譲らん！特に中国関係書籍はな！
と楽しんでいる結果は全く漫画に反映されていないのですが（改訂再版だったしね…）、次の清代話から少しは影響が出てくるのではないかな。と言いつつ、今描いてるのは草野球ギャグです。テンション高くて馬鹿な漫画だなー。

ところで今、関西コミティアの葉書アンケートを書こうとして（何と５年ぶりだ）「良かった本３冊」に迷い、手が止まりました。収穫が多すぎて３冊に絞り込めず、まして順位なんて決められないよ。これもあれも良かった…というか、良かったから買ったわけだし、どうしたものか。しばらく置いておいて、「一番読み返した本」で順位をつけようかな。

関西コミティア

うわ２週間も経ってしまった。もう書かなくてもいいかとさえ思ってしまうけれど、お礼を伝えないとねえ。
関西コミティアではありがとうございました！弁髪漫画の新刊…とはいえない改訂新版をようやく出す事ができました。相変わらず絵が下手ですが、旧版よりはちょっとはマシになっている。はずです。描けぬ描けぬとうんうん困りながらも、振り返ってみると楽しい時間でした。

９月に遊びすぎた分、イベント直前まで追われに追われ、入稿が間に合わずコピー誌になってしまったのが反省点かな。当日は少し緊張しながら参加したのですが（と言いつつうろちょろと同人誌を買いあさっていましたが）、弁髪も草野球も卓球も読んでもらえて、ああ良かったなあと安堵し喜んでいました。自分の中で生まれた彼らを他の方々に知ってもらえたんだと思うと、胸の底に灯が点ったような気持ちになります。何だか奇跡のようだ。今しみじみと嬉しいです。

イベント終了後は疲れ果てていて、いくら寝ても寝足りなかったのですが、そろそろ通常営業に戻りつつあります。今週末くらいからそろそろ描き始められるかな。

映画館で見たい

ザ・ミッション 非情の掟 [DVD]

ところで今ジョニー・トー監督の映画を見たくて見たくてでも近所には置いてなくて、そういう時にはどうするかと言うとわざわざ心斎橋のツタヤまで借りに行っているんですよ私は。あの店の品揃えは本当に素晴らしいね。ラジニカーントのＤＶＤが並んでいるのを見た時には嬉しくて笑ってしまったよ。

ダラパティ 踊るゴッドファーザー [DVD]

久闊を叙す

そもそもこのブログは不特定の人を対象に好き放題垂れ流しているものなので、友人知人に読まれるとなると何となく書きにくい。なぜ読むのだ今すぐ戻りたまえ。と言いたいところですが、仕方ない。今回のみ開き直って私信にしてしまいますよ。
やあ先日はどうも！深夜までわあわあと喋り続けて楽しかったよ！皆さん無事に帰宅できましたか。幹事君ありがとうお疲れ様、いまだにブログがうどん屋の記事で止まっているのはいただけないのでたまには更新してください。読むなら書く、ギブとテイクは平等にしようぜ。だから最後までペンネームを伏せていた君はすぐに私に教えるように。アマゾンで検索したら何冊出るのかな、楽しみだー。
興味深いネタが尽きずどんどん話が移っていって、とても愉快な時間を過ごせたけれど、今になって思えばもっと深く聞いてみたい話が沢山あったなあ。惜しい事をした…と思うくらいが「また会いたい」につながっていいのかもね。「義務とか言うなー」だの「フラグを回収せよ」だのと気楽に突っ込めるのはいいもんです。名簿をとりまとめてくれてありがとう、比較的近所だから今度こそ待ち合わせしましょうか。
ところで良い子のみんなは、あの時あげられていた漫画は手に入れたかな？私は『シュトヘル』の描線がとても好きですよ。

シュトヘル 3 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

でも実は『乙嫁』は購入していないのです。借りて読む。

乙嫁語り 2巻 (ビームコミックス) (BEAM COMIX)

西夏文字だの中央アジアだのの話が出るあたりが実に何というか歴史と考古ですが、最近はみんな日々忙しくて読んだり見たりする時間はあまりないのかな。私も積んでいる本が多いことよ…。家から溢れるようになったら預けさせてもらおうかな。
漫然と書いていたら長くなってしまったのでこの辺りで唐突に終了。ではまた！ブックマークもコメントもせぬように、このブログの事は速やかに忘れるように、よろしくよろしく。

私信

７月３１日に「創作活動再開」などと書いていたのは嘘でした大嘘。あれは「創作活動再開（しようかな）」と読んでください。ひどい狼少年だな。全然何も…とまでは言わぬものの、ほとんど何も進んでおりません。富士山漫画は描き終えてスキャンしたところだけれど、パソコン作業が面倒いやいいんだ私は嘘つきの怠け者なのだ。

『エアベンダー』

『インセプション』２回目に行くか『エアベンダー』を観るかで逡巡した挙句、『エアベンダー』を選択しました。たとえ評判があまりよろしくないとしても、「太極拳で気を操って戦う１２歳の少年」と聞いたら、これはちょっと観ておかねばと思うじゃないですか。香港Ｂ級映画で培った駄作への耐性をここで発揮せずしてどうする。

さて感想はというと、いやー見事なダイジェスト版でした。物語がするすると進む進む。人物と感情描写が浅いとか緊迫感に欠けるとか、アラは多いしツッコミを始めると切りが無いんだけれど、覚悟していたような苦痛に満ちた100分間にはなりませんでした。映像は綺麗だし舞台設定は実に私好みだし、何より「太極拳で気を操って戦う１２歳の少年」が最強だとかね、小中学生の頃に観ていたらとても好きになったかもしれない。大人となった今は、評価するなら星２ツ半といったところかな…。「太極拳で気を操って戦う１２歳の少年（無敵）」に心惹かれる人にだけお薦めです。夏休みに親子で見に行くのもいいですね。しかしこれ、続編製作できるのかね。

エアベンダー ブルーレイ＆DVDセット(2枚組) [Blu-ray]

原作ファンが怒り狂っているのを見ると（翻訳記事　http://www.gizmodo.jp/2010/07/post_7302.html）、これは元になったアニメシリーズを見たいものだと興味を大いにかきたてられるのですが、日本語版は発売されていないようです。せめて中国語版『降世神通』が手に入らぬものか。ネットで見るのは何だか嫌なんだよな…。

Complete Book 1 Collection [DVD] [Import]

■

『シャーロック・ホームズ』を大いに気に入り（相棒ものは大好物ですよ）、『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』でジョニー・トー監督と黄秋生に惚れ直し（『エグザイル―絆―』はもっと好きだ）、ゲキ×シネで新感線の『ＳＨＩＲＯＨ』と『アオドクロ』を観て次は『アカドクロ』だとわくわくして、『インセプション』は意外にスケールが小さかったなと思い（予告編を見て妄想をフル回転させた己のせいだ）、絶対外すだろうと思いながら『エアベンダー』を観るかどうか迷っているところです。『アリエッティ』は当然観るとして、『ベストキッド』はどうしたものか。

海角七号/君想う、国境の南 [DVD]

日本版発売前に特典付き台湾版ＤＶＤを買ってしまいました

海角七号/君想う、国境の南 オリジナル・サウンドトラック

シャーロック・ホームズ Blu-ray＆DVDセット（初回限定生産）

あんな武闘派ホームズ（ワトソン君もか…）が出てくるとは。掛け合いもロンドンの雰囲気もいいんだよなあ。

エグザイル/絆 スタンダード・エディション [DVD]

食事のシーンがいつも最高だよな、ジョニー・トー監督って。